非木材繊維とは木材以外の植物繊維の総称です。

 紙は細長い形状の植物繊維が絡み合って構成されますが、木材繊維の1本の長さは、広葉樹で1~2mm、針葉樹で3~5mmです。繊維幅は、広葉樹で約20μm、針葉樹で約50μmです。一方の非木材繊維は、バガス、稲わらのように木材繊維と同程度の大きさのものもあれば、木綿や楮(こうぞ)の繊維ように1cmを超える長繊維まで多くの種類があります。

 非木材紙は非木材繊維から作られた紙のことです。非木材紙の原料となる植物には、綿、カポック、麻、ケナフ、アバカ、わら、バガス、竹、ヤシ等があります。また、和紙の原料となる楮は木本性の植物ですが、樹皮部に含まれる靭皮繊維が製紙利用されるため非木材繊維に分類されます。これらの植物体には繊維以外の成分も含まれますが、これらの植物体を解繊して、セルロースを主成分とする細長い繊維を取り出す作業をパルプ化と呼びます。取り出された繊維は水中に分散され、網で漉いて平面状に繊維同志を絡ませた後、乾燥して紙になります。

 地球上には多様な植物が存在していますが、技術的には細長い繊維を含んだ植物であれば製紙原料にすることが可能です。