植物の細胞はさまざまな機能を持った形態に分化しています。植物バイオマスを製紙利用する場合には、セルロースを主成分とする繊維状の細胞が多く含まれることが理想です。
紙は、水中に分散させた植物繊維をシート状に絡み合わせて作られます。そのため、植物原料を製紙利用するためには、組織を一旦ばらばらにする必要があります。
繊維状細胞は、木材には木部、仮道管に、非木材では靭皮、茎幹、葉、果実などの部位に多く含まれます。これらの原料を機械的または化学的に処理し、繊維を解きほぐして取り出す工程がパルプ化です。
植物細胞は、その形態を保持するための強固な細胞壁を持っています。細胞壁は、セルロース微細繊維とリグニン、ペクチンなどの成分から構成されています。